2024/01/29 (MON)プレスリリース

AI(人工知能)による就職面接アドバイス?システムへ
-立教大学がAIベンチャーと共同研究-

キーワード:研究活動

OBJECTIVE.

立教大学スポーツウエルネス学部(埼玉県新座市、学部長:沼澤秀雄)の小林哲郎准教授、村本宗太郎助教は、株式会社トリプルアイズ(本社:東京都千代田区、代表取締役:山田 雄一郎、東証グロース市場《証券コード:5026》、以下トリプルアイズ)、SHIN4NY株式会社(神奈川県小田原市、代表取締役CEO:工藤春香、以下SHIN4NY)、株式会社エクスマイル(東京都品川区、代表取締役:橋本洋一郎、以下エクスマイル)と4者共同で「感情推定AIによる印象測定システム」の共同研究をスタートしたことをお知らせします。

1.好印象の根拠となる客観的な指標を確立

感情推定AIによる印象測定システムは、トリプルアイズの画像認識による感情推定AIエンジンとSHIN4NYの音声解析による感情推定AIエンジンを組み合わせることで、ユーザーが他者に与えている印象を客観的に判断するシステムです。立教大学スポーツウエルネス学部の小林哲郎准教授、村本宗太郎助教がデータ分析を行い、客室乗務員志望者の就活指導を行うエクスマイルが面接指導においてデモ導入します。表情、音声のデータ分析から印象の根拠となる総合的な指標の解析を目指します。

2.従来の面接は主観による指導に限界

コミュニケーションにおける言語?聴覚?視覚情報の影響の割合を示す「メラビアンの法則」によると、人は話の内容などの言語情報よりも、見た目などの視覚情報や声のトーンなどの聴覚情報からより大きく印象を左右されるとされています。 表情や音声などの印象は訓練によって向上させることができます。しかしながら、現状では講師の主観による指導が中心となっており、より客観的に表情や音声を評価する指標が求められてきました。今回の共同研究では、表情と音声の総合点などから好印象を判定するシステムを目指します。

3.ニーズが高まるAIによる印象測定システム

印象測定システムは、就活生がみずから訓練を行うことで講師料などの費用を削減することができます。また、従来の面接の指導は話の内容(言語情報)を中心に行われており効果的な指導をできていませんでした。これは、表情?音声を数値で測定し客観的な指標がなかったことによるものと考えられます。この印象測定システムは、こうした従来の課題を解決しうるものです。印象測定システムは就活支援にとどまらず、同様の課題を抱えている、接客?接遇分野、人材研修?教育分野、結婚紹介分野にも大きなニーズが見込まれます。また立教大学スポーツウエルネス学部では、スポーツ指導者の表情などからデータ分析を行い、指導者が自らを客観的に評価するための指標づくりに取り組んでいます。中長期的には、印象測定システムを一般ユーザーに専用アプリで提供することも想定でき、さらに大きな市場の開拓も望めます。

コメント

  • 小林 哲郎(立教大学スポーツウエルネス学部スポーツウエルネス学科准教授)
    AIの発展によって感情が数値化される時代になり、これまで収集できなかった新しい種類のデータが取得できるようになりました。新しいデータはそれだけでは意味を持たず、その解析手法や解析結果の評価方法の開発も必要となります。感情データがスポーツをはじめとした幅広い分野で活用されるよう、今後も解析?評価方法の開発を進めてまいります。
  • 山田 雄一郎(株式会社トリプルアイズ代表取締役)
    当社は従前より顔認証AIエンジンを用い、顔の表情から感情を推定するシステムを開発してまいりました。今回の共同研究により、この技術がコミュニケーション分野での課題解決につながることを期待しています。
  • 工藤 春香(SHIN4NY株式会社代表取締役CEO)
    当社は「データや科学技術の力を使って、ヒトに優しく、ワクワクする世界をつくる」を掲げ て、声から感情を推定するシステムを開発しています。今回の共同研究により、好印象を科学することで、コミュニケーションを通じて得られる感動のアップデートを期待しています。
  • 橋本 洋一郎(株式会社エクスマイル代表取締役)
    当社では、就活生の面接指導を「メラビアンの法則」に基づき、視覚、聴覚の印象向上に重点を置いて行って参りました。今回の共同研究により、面接指導の科学的根拠ができることを期待しております。

研究者プロフィール

小林 哲郎(こばやし?てつお)
立教大学スポーツウエルネス学部スポーツウエルネス学科 准教授
東京大学大学院新領域創成科学研究科環境学専攻の修士課程を修了後、アメリカユタ大学地理学科博士過程を修了。フロリダ州立大学地理学科の講師として人流データの解析手法や応用に関する研究に従事する。以後企業のデータサイエンティストとして企業のデータ活用戦略立案、データ分析プロジェクトの推進、DX人材育成に携わる。立教大学スポーツウエルネス学部ではデータサイエンス科目を担当。

共同研究先プロフィール

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